休日も本を読む

寝台特急に殺意をのせて(西村京太郎)」

あらすじ

ある日、警察に110番がかかってくる。内容は「『キチ』が危ない!」という男からの連絡だった。後にその男は柴田敬(しばたたかし)という名で死亡が確認される。十津川警部たちは「キチ」というのは何かを箇条書きで出していく。「宇宙基地」「登山のベース基地(登山のベースキャンプ)」「車両基地」。警部たちは「キチ」を可能性大の「車両基地」と推理し捜査を進めていく。そして調べていると柴田が通っていたバーの店員から彼は『近いうち、九州の方へ行くんだ』という話を聞き、九州寄りの「下関基地」をマークする。そして下関署から「下関基地の所長を今、解放した」という知らせを聞いて十津川警部たちが現地へ急行し犯人グループを突き詰めるという話や、

若い女性に人気の俳優の田原伸一郎(たはらしんいちろう)は仕事が忙しくかったのですが3日間だけ休暇が取れたので寝台特急「富士」で別府に行くことにした。そしてマネージャーの矢木と一緒に「富士」に乗り、食堂車で食後にコーヒーを注文すると二人の女性が「サインをくれますか」と要求されたが断った。その後注文したコーヒーを飲んだ時突然、田原が倒れ死亡する。十津川警部たちが調査すると田原ではなく、矢木と関係のある君子と、しず江が犯人と判明する。矢木がよく通っていたホステス「イヴ」のケイ子は矢木に惚れ、彼が既婚者だと知ると落胆して自殺する。すると店で彼女を姉さん的存在とみていた君子と、しず江がムカついて矢木にコーヒーの砂糖と青酸カリをすり替えたのだが田原が「砂糖がもっとほしい」と言ったため青酸カリを飲んで死んだという話など5つの短編集がある。

感想

読んで思ったこと・考えたこと

最初の「車両基地」の話について、わざと車両基地と直接書かずに「キチ」と書いて話を展開することに対して読者の興味をそそるようなワードチョイスがいいなあと思いました。

また、2つ目の田原伸一郎の話について、犯人が田原と関係のある人ではなく、マネージャーの矢木が悪気なく殺してしまう形になったと知って、矢木からしたら勝手に惚れたケイ子のせいで罪をかぶったので「意味がわからない」と思っているんじゃないかなあと考えました。